2010年02月18日

「インビクタス」鑑賞

 「インビクタス・負けざる者たち」を見に行ったのに感想を書くのを忘れていました。

 ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)が黒人として始めて南アフリカの大統領に就任したとき、権力を握っていながら少数派であった白人達は黒人達の報復が始まると思っていた。しかしマンデラは今まで重要なポジションを握っていた白人達が国から離れてしまうと政府のシステムが機能しなくなることを理解し、過去の事は水に流し白人達に留まるように説得する。警護に関してもマンデラに付いていた黒人達に加えて前政権下にいた白人達も残留させる事になった。

 南アフリカで人気があるスポーツは白人層はラグビー、黒人層はサッカーであるために、黒人層からはラグビーは白人の象徴とも言える存在で嫌われる存在であった。ナショナルチーム「スプリングボクス」の試合も黒人達は相手チームの応援をする始末であった。マンデラは黒人と白人の融和を促すために南アフリカが95年にラグビー・ワールドカップの主催国となっていた事もあってラグビーを利用することを思いつく。ナショナルチームのキャプテン、フランソワ・ピナール(マット・デイモン)を呼び出し「黒人の子供たちにラグビーを教えて欲しい。」と依頼するマンデラ。チームのメンバーは当初嫌がっていたが、次第に納得。チームのまとまりも出来、アパルトヘイト時代に国際試合から閉め出され弱体化していたチームは勢いを取り戻し、黒人層からの支持も得始めてきた。そして迎えたワールドカップ。南アフリカは大方の予想を覆し決勝まで進んだが、対戦相手は最強の呼び声高いニュージーランドの「オールブラックス」だった…。という話です。

 良い作品でした。ネルソン・マンデラを聖人とせずに奥さんや娘との不和もきちんと描いている所もよかったです。ただ、最近のクリント・イーストウッド監督作品の雰囲気を期待すると普通な感じがして物足りないかもしれませんね。「ミリオンダラー・ベイビー」から「グラン・トリノ」まで「戦う」ことがテーマ、「お互いの理解」というのが裏テーマにしていた作品が多かったのですが、「インビクタス」は「お互いの理解」がテーマで「戦う」ことは裏テーマになっていたのが今までと違う点だと思います。


 ラグビー以外ではやたらとマンデラが白人に気を使うところが印象的でした。映画でははっきり語られていないのですが、ジンバブエ等の独立したアフリカの旧植民地の黒人が白人から強引に権利や土地等を奪った結果、政府のシステムが止まってしまい、それに変わって出来た政権のほとんどが独裁で腐敗している事をマンデラは大統領になる前にアフリカ各国を訪問したときに感じたそうなんです。だから南アフリカにある資産を海外に逃がさないためにも白人達に南アフリカに留まらせる配慮が必要だった訳なんですね。

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Posted by 天野"kevin"達也 at 00:05│Comments(2)映画
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★★★★★娯楽作品と言う程にはくだけていないものの、社会派ドラマの割にはユーモアもあり、手に汗握るスポ根ものとしても見ごたえあり。 鑑賞後がさわやかなお薦め作品である。
お薦め映画『インビクタス/負けざる者たち』【♪心をこめて作曲します♪】at 2010年03月02日 16:52
この記事へのコメント

あっ!見たんですかインビクタス!
見たいっ!見たいなあ!
Posted by ごんぼそ at 2010年02月18日 00:07

良い作品でしたよ。ただ、アカデミー賞を狙うようなタイプの作品ではなかったです。
Posted by ケビンコナス at 2010年02月18日 00:24
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