2013年07月04日

7月の大阪ガンダム学会&映画喫茶白鯨です

 7月7日、七夕の日に七井コム斎さんの「大阪ガンダム学会」があります。今回取り上げるのは後に製作された劇場版の「地球光」のクライマックスでもある第27話「夜中の夜明け」と第28話「託されたもの」を取り上げます。

 「夜中の夜明け」ははっきり言ってターンAらしからぬヘビーな内容です。核ミサイルが爆発する事が確実となり、そこから登場人物が逃げ惑い、そして恐怖する、というお話なんです。牧歌的な雰囲気が前面にでるターンAは裏テーマに核汚染というのがあるのですが、珍しく裏テーマが大きく前に出てきた回であります。正直この回を語り合うのはしんどいなー(苦笑)。でもやります!やりますとも!しかし3・11の福島原子力発電所の爆発を経験する前と後ではこの「夜中の夜明け」の感じ方が大きく変わってくるんじゃないかなぁ?
 
 前回の学会で指摘させて頂いたのですが、第25話「ウィルゲム離陸」でターンAガンダムがとったポーズが長崎の平和祈念像を思わせるのです。

このポーズをとったのも主人公のロラン、そしてキースやフランが地球側と月側の間にいることの苛立ちを表現したはずなのですがそれにしては変なポーズなのです。これは次々回の「夜中の夜明け」に対する隠された予告なのでしょうか?

7/7(日)
「第47回大阪ガンダム学会〜第14回∀ガンダム研究会〜」
start 15:30 / ¥500- (1drink別)
出演 / 七井コム斎、他
http://hakugei.net/archives/6742

 そしておなじくなんば白鯨さんの映画イベント「映画喫茶白鯨」が29日にあります。今回のプレゼンテーマは「イギリス映画」!さて何が飛び出すやら?お楽しみに。
7/29(月)
「映画喫茶白鯨」
start 19:00 / ¥500- (1drink別)
出演 / 若林賢太郎、吉田徹(アニメR)、中澤勇一(アニメR)、ごんぼそ、ケビンコナス、帝、他
http://hakugei.net/archives/6901

 前回6月分のイベントの様子がなんば白鯨さんのユーストリームチャンネルで公開されています。ちょっと音が割れて聞きにくいですがよろしければ見て下さい。
http://www.ustream.tv/recorded/34486329  
Posted by 天野"kevin"達也 at 21:34Comments(0)ターンA

2013年05月31日

大阪ガンダム学会&映画喫茶白鯨の告知です

 明後日は七井コム斎さんの「大阪ガンダム学会・∀ガンダム研究会」があります。今回はターンAガンダム第25話「ウィルゲム離陸」と第26話「悟りの戦い」を取り上げます。今までのガンダムシリーズが「軍隊から見た戦争」中心であったのに対し、ターンAは「市民から見た戦争」が中心となっています。今回取り上げる二話は特にその色が濃いお話です。お時間ありましたら来て下さい!僕もちょっと喋っていると思います。

 「ウィルゲム離陸」に出てくる作業用カプル。地味だけど格好いい!


6/2(日)
「第46回大阪ガンダム学会〜第13回∀ガンダム研究会〜」
start 15:30 / ¥500- (1drink別)
会場:大阪難波味園ビル内「なんば白鯨」
出演:七井コム斎、他
http://hakugei.net/archives/6164



 そして17日は白鯨、月に一度の映画イベント「映画喫茶白鯨」でございます。今回のプレゼンテーマはゾンビ映画特集「ゾンビ大行進」です。宿題のコーナーは現在公開中「L.A.ギャングストーリー」とレンタル中の女性版ハングオーバーの「ブライズメイズ史上最悪のウエディングプラン」です。「ブライズメイズ」で印象的なキャラクターを演じていたメリッサ・マッカーシーが6月28日公開の「ハングオーバー!!!(3)」に出演するので、その事前勉強という意味でも見ていきたいと思います。

6/17(月)
「映画喫茶白鯨」
start 19:00 / ¥500- (1drink別)
会場:大阪難波味園ビル内「なんば白鯨」
出演:若林賢太郎、吉田徹(アニメR)、中澤勇一(アニメR)、ごんぼそ、ケビンコナス、帝、他(出演者は予定です)
http://hakugei.net/archives/6658
  
Posted by 天野"kevin"達也 at 22:56Comments(0)ターンA

2013年05月14日

映画喫茶&大阪ガンダム学会でした

 週末は若林賢太郎さんの「映画喫茶白鯨」と七井コム斎さんの「大阪ガンダム学会」に出演してきました。どちらのイベントにもお越し頂いたお客様、ありがとうございました。



 映画喫茶白鯨の方は「TED」「アルゴ」そしてNHK朝ドラの「あまちゃん」で再評価を受けている80年代を取り上げようということで「I LOVE 80's」というプレゼンテーマでやりました。イベントの様子は以下のなんば白鯨さんのユーストリームで…と言いたい所なのですが。
http://www.ustream.tv/recorded/32644021

音声を拾えていないので動いている様子しかわかりません(汗)。楽しみにしていた皆さん(いるのか?いるのかな?)申し訳ありません。ちなみにプレゼンの勝者は若林賢太郎さんの「ゴーストハンターズ(監督:ジョン・カーペンター、主演:カート・ラッセル)」でした。

 さて次回の日程も決まっております。6月17日(月)19時頃スタート。会場はいつもの大阪難波の味園ビル内「なんば白鯨」さんです。プレゼンテーマはゾンビ映画特集「ゾンビ大行進」です。
http://hakugei.net/archives/date/2013/06/17?ec3_listing=events

 映画喫茶と同時間、姉妹店なんば紅鶴さんでは山田ジャックさんの「ギリギリアウト」をやっていました。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 そして一昨日は大阪ガンダム学会でした。ターンAガンダム第23話「テテスの遺言」と第24話「ローラの遠吠え」の二話を研究。こちらは七井コム斎さんのユーストリームで見ることができます。実はおどろくべきサプライズゲストが!
http://www.ustream.tv/recorded/32728155



始まって30分くらいになんとガンダムとZガンダムとドムの三機がなんば白鯨さんに降臨されたのです!この三機(三人?)はコム斎さんのお知り合いが連れてきて頂いた皆さんなのですが、実はこれ、手作りのスノーボードウェアなのです。YouTubeにスキー場でガンダムがドムを追撃する動画がアップされています。



 さてターンA本編ですが今回取り上げる2話は月の女王ディアナが以前行った地球への往復旅行の際(といっても冷凍睡眠という設定があるためにおそらく百年くらい前の話なのですが)に地球に残してきた人たち、そして地球から月に連れて帰った人たちが後々差別の対象になってしまう深いお話なのです。

 深い話だけでは視聴者がついて行けないので取っつきやすいようにキャラクター達のユーモラスな面でカバーしようとした意図が見えるのですが、ただ問題なのがそれを担当したのがコレン・ナンダーとレット隊…。

 このような三枚目でエキセントリックなキャラが引っかき回してくれる事でお話を進めやすいので全く否定はしないんです。もし主人公クラスにお話を進める役割をさせると今度は「何故そうするのか」という理論立てを詰めないといけなくなるので「三枚目の引っかき回す」キャラは結構使いやすい存在だと思うのです。ただ使いやすいのと同時に繊細に扱わないとお話や他のキャラを喰ってしまう危険性がある。実際今回取り上げた第23話「テテスの遺言」は月から送り込まれた暗殺者テテス・ハレが逆に暗殺される物語なのですが、行方不明となっていたコレン・ナンダーがここで蘇ったために完全に喰われてしまっているんですね。おかげで「泣き」が生まれない。

 ターンAにおいて「三枚目の引っかき回す」ポジションというのは前述のコレン・ナンダーとレット隊、そしてコレンの付き人だったブルーノとヤコップになるのですが、シリーズ中度々見られるのは彼らを重複して使ってしまっているんです。おそらく「一組」いれば十分だったはず。複数組いることでうっとおしさが前面に出てしまっているんですよねぇ。もちろんキャラクターの「賞味期限」があるので長いシリーズのために複数用意するのはいいんです。ただやり方としてコレンの賞味期限が終わったら次はブルーノとヤコップ、彼らのそれが終わったら今度はレット隊、というやり方も出来たと思うんですよね。

 難解と言われるターンAガンダムですがむしろ難解と言うよりかは乱暴という表現の方が当たっているかもしれない。「既存のガンダムシリーズの関係性はあるのかないのか」「アメリア大陸の政治情勢はどうなっているのか」「月の勢力が『和平派』『交戦派』『帰還そのものに反対派』と別れているのは何故なのか」といった説明をほぼせず、セリフの中の一片から読み取れ、というのは正直厳しすぎる。ただその乱暴さを乗り越えて世界観を一度つかんでしまえばむしろ解りやすいくらいの作品ではあるんですけどね。Vガンダムの方がよっぽど難解だし。コレン達「三枚目」チームの問題も制作陣の「頑張りすぎ」が「詰め込みすぎ」になってしまったからじゃないかな。なんか余裕が無いんです。その一方で劇場版はその反省からなのか余裕が生まれているように見えます。もちろんお話の序盤、地球に降下した主人公ロランがターンAガンダムに乗るまでのいきさつはかなり駆け足で進みますが、そこからは不必要な物を取り除いた事で見やすい作りになったと思うんですが。テレビシリーズ以上に評価を得ていない劇場版ですがもう少し見直されてもいいんじゃないでしょうか。


なんかまとまったような、まとまっていないような…。大丈夫ですかね?  
Posted by 天野"kevin"達也 at 18:37Comments(0)ターンA

2013年03月14日

出られないイベントと出るイベントの告知です。

 さて毎度毎度の告知です。まずは七井コム斎さんの「大阪ガンダム学会・∀ガンダム研究会」になります。毎回参加させて頂いているのですが、当日は東京に行っているので欠席です。それでも告知するのはターンAの、そして富野由悠季監督の新たな発見が毎回出来る場だからです。今回はいつもの日曜ではなく祝日で開始時間もちょっと早くなっていますので注意です。

3/20(水・祝)
第43回大阪ガンダム学会〜第10回∀ガンダム研究会〜」
start 15:30 / ¥1,000- (1drink別)
出演:七井コム斎、他
会場:なんば白鯨
第19話「ソシエの戦争」第20話「アニス・パワー」

詳しくは以下のHPにて
http://hakugei.net/archives/5989



 そして今度は出る方のイベント、映画喫茶白鯨です。こちらも主宰の若林さんが劇団バンタムクラスステージの公演「ハーメルンの記憶」に出演しますのでいつもの月曜ではありません。金曜日です。「宿題のコーナー」はアカデミー作品賞を受賞し、リバイバル上映が始まった「アルゴ」とタランティーノ監督の「ジャンゴ」。メインのプレゼン合戦は「筋肉映画」になります。

3/29(金)
「映画喫茶白鯨」
start 19:00 / ¥500- (1drink別)
出演 / 吉田徹(アニメR)、若林賢太郎、ごんぼそ、ケビンコナス、他

詳しくは以下のHPにて
http://hakugei.net/archives/6168

ちなみにターンA若林こと若林賢太郎さんが出演する「ハーメルンの記憶」のチケット予約は以下のリンクからよろしくお願いします。
https://ticket.corich.jp/apply/43019/032/

公演についての詳細はバンタムクラスステージHPにて
http://www.bantamclass.com/index.html

  
Posted by 天野"kevin"達也 at 12:05Comments(0)ターンA

2013年01月23日

ミードガンダム来た!

 さてさてターンAガンダムのモビルスーツデザイナー、シド・ミード氏によるデザイン作成の過程と日本側スタッフとの往復書簡を収録した「MEAD GUNDAM」が「復刊ドットコム」から届きましたよ!

元々は講談社から2000年にこの本が発売されたのですが、絶版後に内容の良さから再評価された事でプレミアが付いてしまい入手困難となっていたところ「復刊ドットコム」さんがリクエストに応えて今回の再版となったわけです(確か1万円前後のプレミア価格になっていたはず)。

 しかしこの本は面白い!ガンダムファンが読んでももちろん楽しめると思うのですが、むしろあらゆるジャンルのデザイナーやデザイナー志望の人が読むべき本だと思います。「デザインお願いします。」→「こんな感じでどうでしょうか?」→「イメージと違うので変更してください。」の繰り返しの作業が往復書簡で生々しく伝わってくるんです。以前からガンダムに理解のあったシド氏とはいえ日米の意識と距離の差が大きく、このやりとりをより難しくさせた事が結果的にこの本を面白くさせています(当時の関係者は大変だったでしょうけどw)。

 富野監督のインタビューを読むとターンAを何年たっても勝負できる作品にするために一時的・流行的なデザインではなく恒久的な物にすることに力を入れた様子が伺えます。これは具体的にそのような話があったわけではなく、僕の予想なので間違っていたらスイマセンなのですが、この本が未だに需要があり、魅力的である事を考えるとあながち間違いではない気がするのですが…どうでしょうか?

復刊ドットコムの購入ページ
GIGAZINEでのMEADGUNDAM紹介ページ  
Posted by 天野"kevin"達也 at 23:18Comments(0)ターンA

2013年01月12日

なんば白鯨さんで喋ります(予定)

 なんば白鯨さんのイベントの告知です。僕も喋っていると思うのですが、仕事が入って出られないかも…(特に映画喫茶の方が)。会場はどちらも大阪難波の味園ビル内のなんば白鯨さんです。来て下さい!

 ところで「∀ガンダム研究会」ですが取り上げる「∀の全て」がいたってふつーの総集編になっていて、はっきり言ってこれでどう討議出来るのか非常に不安な所ではあるのですが(苦笑)。まぁ、ネタは仕込んで行きますけどね(ふふふ)。 



1/14(月・祝)
「第41回大阪ガンダム学会〜第8回∀ガンダム研究会〜」
第15話『思い出は消えて』第16話『∀の全て(総集編)』
start 16:30 / ¥1,000- (1drink別)
出演 / 七井コム斎、他
http://hakugei.net/archives/5662

1/21(月)
「映画喫茶白鯨」
start 19:00 / ¥500- (1drink別)
出演 / 吉田徹(アニメR)、若林賢太郎、ごんぼそ、ケビンコナス、他
プレゼンテーマは「とにかく大変な映画」です。
http://hakugei.net/archives/5664  
Posted by 天野"kevin"達也 at 15:38Comments(0)ターンA

2012年10月29日

∀ガンダム・アートワークスを読む

 ターンAガンダム研究用として2007年にインプレスから出された∀ガンダム・アートワークスを中古で購入しました。4000円だったかな?アホでしょ〜。


 各キャラクター・モビルスーツの設定表、各話のイメージスケッチ、富野監督、キャラクターデザインのあきまんさん達へのインタビューと読み応えのある内容となっていて大満足。むしろ色がつかないイメージスケッチの方が制作側の意図や技術のすごさが伝わってくるんです。まぁ、こういう本を読むのはマニアックな楽しみであって邪道とまでは言いませんが脇道ではあるんですけどね。でもやっぱりこっちの道を歩くのもまた楽し。

 飛行機は水素エンジンを使っていたんですねぇ。


 ちょっとしか出てこない子供達が可愛い。Vガンダムの逢坂浩司さんの雰囲気にも似ています。


 さてこの本は廃盤となっているために中古でしか購入できなくなっています。大体2500円から7000円くらいかな?ところが出版元のインプレスの販売サイト「インプレスダイレクト」を見るとここだけまだ新品の在庫が残っているそうです。定価+消費税の3780円で購入可能。ターンAファンは是非!転売目的はちょっと遠慮して…(苦笑)。
「インプレスダイレクト」の∀ガンダム・アートワークスへのリンク

 来週日曜日は七井コム斎さんの「大阪ガンダム学会ターンA研究会」があります。僕も参加しているはずです。来てください。

【第39回大阪ガンダム学会〜第6回∀ガンダム研究会〜】
日時:11月4日(日)16:00開場 16:30開会
場所:大阪難波味園ビル・なんば白鯨(今回は紅鶴ではないです)
会費:1500円(1ドリンク付)
テーマ:第11「ノックス崩壊」第12話「地下回廊」
http://hakugei.net/archives/date/2012/11/04?ec3_listing=events  
Posted by 天野"kevin"達也 at 22:57Comments(0)ターンA

2012年10月05日

7日はターンAガンダム研究会ですよ!

 さてさて7日日曜日は七井コム斎さん主宰の「大阪ガンダム学会・ターンA研究会」でございます。三連休の真ん中だから遠方からでも行きやすい!集えよガンオタ(そういう僕は新潟シティマラソンに参加するために欠席なのですが…)!

【第38回大阪ガンダム学会〜第5回∀ガンダム研究会〜】
日時:10月7日(日) 16:00開場 16:30開会
場所:大阪難波味園ビル内「なんば白鯨」(今回はいつもの「なんば紅鶴」ではなく「白鯨」です)
http://hakugei.net/
会費:1500円(1ドリンク付)
テーマ:第9話「コレン、ガンダムと叫ぶ」第10話「墓参り」

 今回取り上げる第10話「墓参り」は個人的に非常に好きな回でターンAが目指した「ハウス名作劇場」の世界を特に反映させています。そのため昔からのガンダムファンにはちょっと物足りないかもしれませんが、それ以外の人、小演劇が好きな人にはビビッと来るお話ではないかと思います。

 全体的に演劇的な演出で構成されているのですが、終盤で月の女王ディアナがキエルの父の墓に駆けつけるシーンはアニメでしか表現できない手法を用いています。



 ここは「あしたのジョー」「エースをねらえ」の出崎統(でざきおさむ)監督がよく使った「三回パン(同じシーンを三回繰り返す)」を用いているのですが、出崎さんがこれを「どアップ」で肉体的躍動を表現する事が多かったのに対して、富野さんはディアナをわざと遠くに置き、「悲しい」という感情を表現するのに使っているのが面白いのです。



 富野由悠季監督は絵コンテの方も参加しているのでこの回、及びこのシーンに関しては相当力を入れてやったのではないでしょうか。

 こんな感じでターンAを深く研究・分析するのが大阪ガンダム学会なのです。7日はなんば白鯨まで来て下さい(シャクティ・カリン風に)!  
Posted by 天野"kevin"達也 at 19:52Comments(0)ターンA

2012年09月04日

ターンAから上流階級の作法を学ぶ

 さて日曜日は大阪ガンダム学会だった訳なのですが、今回は何故か携帯及びWIFIの電波が届かなかったために主催、七井コム斎さんによるユーストリーム配信が出来ませんでした。会場のなんば紅鶴が入っている味園ビルはどういう訳か電波を遮断する構造になっているために、むしろ今まで配信できた方が不思議なくらいなのですが(苦笑)。取り上げたのがG−SELECTIONのDVD−BOXパッケージにもなっていて、ファンの評価も高い第8話「ローラの牛」を含んでいただけに、その議論を見ていただけないのが残念。

 さて第7話「貴婦人修行」にてやむなく女装した主人公ロランが月の女王ディアナに拝謁した際に手に甲にキスをするのですが、これはロランが女性パイロット、ローラ・ローラとして紹介されている以上、女性同士のキスはおかしくないのか?とあるパネラーが疑問を投げかけてくれたのです。上流階級の礼儀やキスの習慣は日本人にはうといため、その時点では明確な答えを誰も持っていなかったのですが、調べてみると確かにおかしい事が解ってきました。



 参考資料として手っ取り早かったのがオードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ペック主演の「ローマの休日」。この作品の冒頭でアン王女(ヘップバーン)の歓迎パーティーが行われていて、各国からの要人に挨拶するシーンがあるのですが、ここで要人達は(時代的に男性)全員ではない物のアン王女の手の甲にキスをするのに対して、お連れの奥さんは握手だけで終わっているんです。Googleで調べてみてもヨーロッパの社交界の儀礼に関する情報が乏しくて完全に断定することは出来ませんが、こういう場での同性間でのキスはちょっとありえない話のようです。

英語版ウィキペディアの「Hand-kissing」へのリンク



 これがいい加減な知識を元に描いていたのなら「良くわからんと書いたんだなー。」で済むのですが、そこは富野さんですからね!実は手の甲へのキスは「唇を触れるのではなく、した振り」をしないといけないそうです(確かに沢山の人に「ブチュー」とされればした方もされる方も衛生的に良くないです)。ロランのキスもよく見ると唇が手に触れないよう「寸止め」しているために、富野さんはきちんとした知識を持った上で「あえて」このシーンを描いているわけです。つまりディアナはロランに対して
「お前男やんけ(失笑)!」
と見切った上で手を出している訳ですな。それに対して自分が「女性」である事を忘れたロランはうっかりキスをしてしまうのです。
ロラン君残念!「貴婦人修行」した
意味ゼロ(笑)!


 ちなみにロラン=ローラということがバレバレなのは次々回の第9話「コレン、ガンダムと叫ぶ」でロランが会う人すべてが「お前ローラやろ!知ってるで(苦笑)!」と解っている前提で接しています。きちんとしたセリフとしては発していませんが演技の中にそういった行間を上手く隠しているのはさすが富野さんなのです。

 ちなみに余談ですがキスについて調べていると19世紀のオーストリアの劇作家、フランツ・グリルパルツァーが書いた「接吻」という詩が面白かったので紹介。

手の上なら尊敬のキス。
額の上なら友情のキス。
頬の上なら厚情のキス。
唇の上なら愛情のキス。
閉じた目の上なら憧憬のキス。
掌の上なら懇願のキス。
腕と首なら欲望のキス。

さてそのほかは、みな狂気の沙汰。

 「そのほか」ってドコなんだよ!という話なんですが(笑)、「尊敬のキス」というのは元ムーンレィスのロランにとってアクシデント的ではありましたがディアナに対しての当然の行為だったんでしょうね。ところで社交界では「尊敬のキス」でもこれがローマ・カトリックやマフィア(映画「ゴッドファーザー」シリーズ)の世界になると「服従のキス」の意味にもなるのがおもしろい。この場合だと同性間でもOKなんだとか(聖職者やマフィアのボスという位置から女性同士というのは考えにくいですが)。最終回でロランが年老いた(?)ディアナの隠遁生活に「付き従う」事を考えるとこの時のロランのキスは後の行動の暗示ともとれなくもない…いや、これは考え過ぎかな(笑)。

 まぁこういう事を「大阪ガンダム学会」では毎回話し合っている訳です。次回は10月7日、なんば白鯨での開催を予定しています。

  
Posted by 天野"kevin"達也 at 10:15Comments(0)ターンA

2012年09月02日

富野は俺たちをゲイにしてどうするんだ(笑)!

 さて本日は七井コム斎さん主催の「大阪ガンダム学会・ターンA研究会」でございますよ。取り上げるのは可愛いロラン・セアック君が女装してもっと可愛くなる第7話「貴婦人修行」と、表面的には牧歌的でありながら裏には軍隊と移民の業を描いた第8話「ローラの牛」を取り上げます。


はぁはぁ可愛いよローラ・ローラ…。
(冗談はともかく富野キャラのネーミングセンスの上手さは凄いですねぇ)

【第37回大阪ガンダム学会・第4回ターンAガンダム研究会】
第7話「貴婦人修行」・第8話「ローラの牛」

日時:9月2日(日) 16:00開場 16:30開会
場所:なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9味園ビル2F)
会費:1500円(1ドリンク付)

コム斎さんが東京から駆けつけるので、もしかしたら開始が遅れる可能性があります。その場合はターンエー若林さんによる前説トークイベントをやる予定です。


の話もするかもよ(苦笑)。  
Posted by 天野"kevin"達也 at 00:16Comments(0)ターンA

2012年06月18日

ターンAだよユニバース!

 さて昨日は七井コム斎さんのイベント「大阪ガンダム学会ターンA研究会」で喋ってきました。前回までのVガンダムと比べるとターンAはかなり入りやすい作品であるために、Vガン研究会よりも沢山のお客さんに来ていただいたという事は当然というか皮肉というか…(苦笑)。でも(僕が言うのも変な話ですが)御来場いただきありがとうございました。

 ちなみにイベントの様子はコム斎さんのユーストリーム放送「チャンネルZHK」で録画を見ることが出来ますので以下のリンクから見て下さい。

開始から2時間20分頃まで
http://www.ustream.tv/recorded/23372025
2時間20分頃から43分頃まで
http://www.ustream.tv/recorded/23374262



 ターンA第一話は非常に情報量が多く、話をはしおりすぎているために難解な構成になっています。今でこそシリーズをすべて見て、なおかつ放映終了から10年以上経っている事から富野さんが何をやりたかったのか理解は出来ますが、当時の初回放送を見た人は「ぽかーん」としたでしょう(というか僕がした)。富野さんが従来のガンダム、というよりガンダムファンに囚われない物作りをしたかった点はVガンダムと共通しており、手段は違えども共に第一話が突っぱねた感じがするのは彼の心情を思えば納得できるのですが、狙っていた「新規のファン」までもはじき飛ばしていたのではないかと思うと「どうなのかな?」と思う所ではあるのです(ただその当時の反響でも「新規のファン」からの支持が多かった事から全く持ってダメだったとは言えませんが)。

 牧歌的な風景かつ柔らかいキャラクターからZガンダムやVガンダムとは違う「白富野」作品とは言われますが、戦争とは何か、核兵器&核汚染とはどうなのかといいった骨太の所はきちんと残されているターンAは結構「噛みごたえ」のある作品です。今後の研究に期待、ですね。  
Posted by 天野"kevin"達也 at 23:21Comments(0)ターンA