2011年10月25日

ニュータイプエースvol.2の「Gレコ」インタビュー

 10日発売なのに紹介するのを完全に忘れていました!ガンダムエースの姉妹紙、ニュータイプエースが発売されています! 
ニュータイプエースvol.2の「Gレコ」インタビュー

 前号に引き続き富野総監督による新作…と言ってもまだ構想段階で小説に取りかかれるのが来年頭かな?という状態のようですがコードネーム「Gレコ」について。
ニュータイプエースvol.2の「Gレコ」インタビュー

 吉田健一さん(ジブリ作品、ターンA、エウレカセブン他)によるイメージスケッチが公開されています。これが「Gレコ」のモビルスーツになるんでしょうか(もしかしたらパワードスーツ?)。顔は一応ガンダムになっていますが…。
ニュータイプエースvol.2の「Gレコ」インタビュー

さて富野さんのインタビューです!

(聞き手:「Gレコ」は誰に向けて、何を描くのか?)
 うーん、中学生……もう少し下げて小学生高学年から高校生までをコア層にしたいですね。これまで「Gレコ」では“リアル”という言葉を使ってきたけど、それは子供にも分かるリアルであって、大人に訴えるリアルではないんです。小学生四、五、六年、中学一年の頃って、人間の成長にとってもとっても大切な時間でしょ?その頃に覚えたものって、死ぬまで記憶に残るでしょうし、人生の目標になるようなものを手に入れられるかもしれない年齢でもある。だから、こういう作品はその年齢層に向けて作るのが一番正しいと思っています。

 何を描けばいいのかという部分については、3・11の震災以後に変わってきましたね。今はまだ頑張ろうという気持ちになれるだろうけど、十年後、今の子供たちが二十歳前後になったとき、その心には深刻なものが残っているに違いない。「Gレコ」はそういう震災後の子供たちの心に残る物にして、彼らが生きる上でのヒントになるような作品にしたいですね。


ニュータイプエースvol.2の「Gレコ」インタビュー

(聞き手:「Gレコ」のテーマとは?)
 端的に言うと女性をフォーカスしたもの。女性が持つ復元力と言ってもいいですね。(略)実際に東日本大震災の復興では、女性たちのほうがコミュニティを生む上で大きな存在となっています。僕からすれば女性の方が自立していると思う。男は喋っているだけで、それに挫折感が深い。草食系だ、妹系だなんて言っていたからではないか?だから、男たちはもう少し女性を正面から見る努力をしましょうよ、と言いたい。(略)男の子だったら女の子とどう協調していくのか?女の子だったら“性”の力をきちっと見て、女性の持つ復元力を自覚してほしい、と語りたいのです。

(聞き手:主人公は女性?)
 主人公と決めるかどうかはさておいて、「Gレコ」は男の子と女の子のきょうだい話にするつもりです。こういう設定は好みではないんだけど、それでも女性が持つ力を描くために、今回はこれで話を作っていきたい。震災以後の子供に向けるということだけでなく、今のアニメ、漫画で流行の潮流となっている妹キャラをやめたい。僕の皮膚感覚だと女性の力が見直されるこれからの十年、きっとお姉さん好きが主流になっていくと思っているんですね。

 もう一歩踏み込んで言うと、「Gレコ」は女王誕生の物語にしていきたいと思っています。弟から見ると、姉を女王にしていく物語です。(略)子供に向けた定番のパターンを踏襲していきながら、21世紀後半の時代性に向かって、女王到来を見せていきたい、と思うんです。弟が姉を女王にしていくという物語か、そうではなく、姉であることは知らない関係かもしれない。あとになって、お姉さんだったんだ、とわかる物語かもしれない、と迷っていますけれど……。

(富野さんはVガンダム以降、女王の力に注目しているようですね。そういえばVガンダムではアニメでは出てこない設定として弟クロノクルが姉マリアを宗教指導者になるように持っていった話があります。ちなみに女王に仕立てたのはフォンセ・カガチなのですが)

ニュータイプエースvol.2の「Gレコ」インタビュー

(聞き手:ガンダムとは違ったラインになるのでは?)
 そうしたいと思っているけど、構想段階では、その意識はあまりないんです。まずは、作品がヒットしてくれることが第一。ラインについて考えられるのは、ある程度物語の姿勢が明確になって、キャラクターがうまい具合に動いてくれてからでしょう。
ラインありきで大きすぎる風呂敷を広げて、物語は果てしなくなって完結しなかったら、それでおしまいですからね(笑)。

(Vガンダムの事でしょうか(苦笑)?)

 (略)宇宙世紀があって、その上で「Gレコ」の世紀があると考えた場合、千年くらいのクッションを置く必要があると考えました。(略)それに歴史を書くというのは「ガンダム」でやって見せたことでもあるので、そのコピーはしたくない。

 とは言え、ファーストガンダム以降の作品は、新企画のつもりで作っても、結局は、ファーストで覚えた技術の延長でしかなかったかもしれないという意識もあったので、その問題を解決するために、「Gレコ」では千年のクッションを置いてみるということをやってみたいのです。


(位置的にはVガンダムとターンAの間、ということになるんでしょうね。ただ「歴史」にはこだわらない点から、「Gレコ」だけで話が成立する物になるのでは?)

ニュータイプエースvol.2の「Gレコ」インタビュー

(聞き手:「ガンダム」ではない新しさを求めてか?)
 そう。「Gレコ」という作品は、今から百年くらいあとに観てもらってもいい、という欲を持った設計もしています。そのために、今まで誰もやらなかったような設定を取り入れています。これは……今は話せないなぁ(笑)。

(略。ヒントとしてキューブリック監督の「2001年宇宙の旅」に出てきた今の液晶を彷彿とさせるモニターが出てきた例をあげる富野さん)

 モニターの例でわかるように、ちょっとしたアイデアで、時代を超えられるという証明です。そのようなアイデアをアニメでも採用しなければならないということです。

 僕らが作品を作るとき、当然、今の時代のぼくらがデザインするわけだから、百年後の人が見たらどうしても古臭く感じるものになる。それを物語的に古臭く感じさせない方法というものを、この三年間、考えてきました。

 「Gレコ」の場合はデザイン論ではなく、もっと別のことで時代を乗り越えてみせたいと考えているんですが、これについては作品が完成してもしゃべれないですね。とは言え、作品の全面に打ち出すコンセプトですから、発表できる日を楽しみにしていただきたいですね。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 どこかVガンダムであり、ターンAであり、オフィシャル的には微妙なポジションの「ガイアギア」を思わせる「Gレコ」。で、ありながら新しい、啓示と言ってもいい物を見せて貰える予感があるなかなか興味深いインタビューだと感じました。「Gレコ」については次号のvol.3でも取り上げるsそうなので期待して待ちましょう。

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Posted by 天野"kevin"達也 at 00:35│Comments(0)ガンダムエース
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