2010年06月12日

Vガンダムを愛でる(めでる)人々よ。

 富野監督の「僕にとってゲームとSEXはドッキングしています。」という名言(迷言とは言わせないよっ!)が載っているガンダム20周年に徳間書店から出された「GaZOスペシャル ガンダムミレミアム」という本を久しぶりに読み返してみたんですが…。
Vガンダムを愛でる(めでる)人々よ。

 「映画秘宝」などで連載しているイラストレーター・漫画家のウエダハジメさんのコーナーがありまして、一つは富野監督が手掛けたガンダムに出てくる女性キャラの考察。そしてもう一つはVガンダムに関する考察…というよりウエダさんのVガン愛の声明(笑)となっています。僕もVガンダムが好きなのでここを何度も読んだはずなのですが、いまいち理解できずにスルーして終わっていました。しかし今年に入って南半球さんの「大阪ガンダム学会Vガンダム研究会」に通うようになり、改めてVガンを見直してようやくウエダさんの叫びを読みとることが出来たのです。

 出来るだけ沢山の人に読んで欲しいと思い、ウエダハジメさんのVガン愛を文字起こししてみました。Vガンらしく(???)難しい表現を使っている所があるのでそこには注釈を付けております。 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幸福である。幸福であるのです。Vガンダムを愛でる人々よ。二十周年という事で溢れ返る、様々なメディアの総括企画。カッコー良ろしい切り口だったりするそれら全てが、も一回、全てが!Vガンダムをシカトこいて下さる現状を前にすれば、戸惑うことかもしれませんし、傷つきもするでしょう。しかし、無理からぬ事だ、と許容しなければならない根拠は、あるのです。巷に散在する設定あそび等のオタクあそびの、その根拠を脅かすものを、Vガンダムは示しすぎた、という事実であります。弱い人々のあそびに、強い人の言葉は、叱り言葉にしかきこえないとも、知るべきなのです。ハリで楽になる前の、トミノヨシユキが、おそらく最も死に近かったときの創作であり、凶暴な危険球であるのは、明らかであります。そこに、MS忌諱(注1)というかMS好き忌諱といったものも、相っ変わらず匂い、が、だからこそ、その粗野な誠実に、我々は、それこそチンコいじっているのとおなじくらいやってきたガンプラあそび(どう体裁繕おうが連中の本質はそれでありましょうよ。)よりも、強い快(注2)を得られたのですから、これは、幸福であります。Vガンダムを愛でる人々よ。我々は弾かれた存在でありましょうが、幸福であるのです。

注1:きい。意味は「嫌って避けること」。
注2:「強い絆」と言いたかったのか?

Vガンダムを愛でる(めでる)人々よ。

我々は知っているのです。オデロ・ヘンリークが健やかであったと。千住明、理性の楽曲奏でられるなか展開する、乗用車を思わす心優しいカタチのビクトリーと、トミノメモへのアンサーを用意していなかったような石垣(注3)おもしろメカとの凄絶(注4)なバトルを。安彦(注5)の生暖かさではなく、ビーボォー(注6)系の硬質でもない、非常にノーマルな逢坂(注7)キャラの、だからこそいやまし(注8)になるアブノーマルな芝居を。夢想の世界にしか無いのかという、潔い大人の姿を。(最初のギロチンは、汚職役人に落ちたというのだ。)放送終了後まもなく露呈した、宗教とかいうリーガルドラッグの断面を(注9)。ピピニーデン・サーカス(注10)の不思議を。横山智佐(注11)一世一代のキバツな死に様を。
だから、Vガンダムを愛でる人々よ、カテ公(注12)と呼んで整理するしかない人々を許し、Vガンダムという作品をつくり得た方々(一部除く)に、感謝の祈りを捧げましょう。
Vガンダムを愛でる人々よ、少数である我々が、偶然にか、ひかれ合い、出会い語り合う幸いが、あるのです。示し合うものが、Vガンダムという言葉にならずとも、いずれ、どこかで、カサレリア(注13)。



注3:石垣純哉。Vガンダムのメカニカルデザインの一人。ザンスカール帝国のメカデザインを担当。
注4:せいぜつ。意味は「嵐のような・すさまじい」。
注5:安彦良和。ファーストガンダムのキャラクターデザイン。現在漫画版ガンダム「THE ORIGIN」を連載中。

注6:かつてあった作画スタジオ「有限会社ビーボォー」の事。サンライズ関係ではダイターン3、イデオン、エルガイムに参加。
注7:逢坂浩司。Vガンダムのキャラクターデザイン。その他にGガンダム、天空のエスカフローネ、機巧奇傳ヒヲウ戦記等に参加。元アニメアール、ボンズ所属。
注8:意味は「分量や回数がますます多くなるさま」。

注9:オウム真理教が起こした一連の事件のこと。
注10:ザンスカール帝国のピピニーデン大尉が率いる中隊が見せる連携フォーメーション。
注11:ザンスカール帝国のネネカ・ニブロー役。シリーズの終盤で露出度の高い水着を着てウッソが乗るV2に肉弾特攻をしかける。当初はウッソを戸惑わせる事に成功するがV2のビームサーベルにやられ死亡。

注12:ウッソのライバルとなるカテジナ・ルースを軽蔑して呼ぶ一部ファンの呼び方。元ネタはことぶきつかさのガンダムパロディ漫画単行本「いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!」から。
注13:ウッソとシャクティが住む場所の名前。現在のチェコ、プラハの近くあたりを想定している。語源はポリネシアの言葉で、意味は「こんにちは・さようなら」。
Vガンダムを愛でる(めでる)人々よ。
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 Vガンダム好きな人は声に出して読んでいただきたい名文なのです。放送当時、表面的なところだけしかとらえることしかできなかった僕にとっては11年前にきちんとVガンダムを理解していた人がいた事にただただ驚くばかりです。ウエダハジメさん恐るべし。

それではVガンダムを愛でる人々よ、
カサレリア。

Vガンダムを愛でる(めでる)人々よ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【第11回大阪ガンダム学会〜第6回Vガンダム研究会〜】

日時:7月5日(月) 開場19:00/開演19:30
場所:なんば白鯨(大阪市中央区千日前2-3-9味園ビル2F)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【旭堂南半球のガンダム講談一年戦争(完全版)〜大西洋の章〜】

日時:6月19日(土) 18:30開場/19:00開演
場所:ワッハ上方4F 『上方亭』
(大阪市中央区難波千日前12−7 YES・NAMBAビル4F なんばグランド花月の向かい。ジュンク堂ビルの4F)
会費:予約 1800円 http://form1.fc2.com/form/?id=454155
    当日 2000円

演目:
ガンダム講談
『キシリア三勇士の猛攻』
『ラトキエ姉弟の別れ』
(新)『鬼戦車ヒルドルブ』
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宮崎義援金講談会
義援金(入場料として)/1000円
場所/いちびり庵なんば店3階(旧いずもや)
TEL 06-6647-5728
(大阪市中央区千日前2-11-10)

?2010年6月12日(土) 19時開演
太平洋 「龍馬翔る〜武市との別れ〜」
小二三 「新選組局中法度」
南陽 「藤堂高虎・出世の白餅」

?2010年6月13日(日) 19時開演
太平洋 「龍馬翔る〜勝海舟との出会い」
小二三 「応挙と幽霊」
南陽 「水戸黄門・渡しの掟」

?2010年6月15日(火) 19時開演
太平洋 「桜田門〜有村次左衛門〜」
小二三 「坂本龍馬より四天王寺の果合」
南陽 「高杉起つ」

?2010年6月16日(水) 19時開演
太平洋 「スリラー」
小二三 「木村重成の最期」
南陽 「龍馬と海舟」




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Posted by 天野"kevin"達也 at 00:40│Comments(0)Vガンダム
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