天野"kevin"達也の亡命予定地（仮）

　「かもめ食堂」「めがね」の荻上直子監督の最新作、「トイレット」を見てきました。荻上監督作品は普通の人が出てきて、特別なことが起きず、普通に終わる女性ウケしそうな作品作りが特徴なのですが僕はなぜか好きなんです（苦笑。実際今作でもほとんどのお客さん、女性でした）。

　で、感想は面白かった事は面白かったんです。ただ、映画の冒頭でいきなり主人公３人の母親の葬式から始まるので観客としてはちょっと構えてしまったかな？その後はクスクス笑えるところが沢山あるのに、ここでの「つかみ」に失敗してしまったので笑いの波に乗れなかった感じがします。

　あと、サチ・パーカー（シャーリー・マクレーンの娘）の使い方も勿体なかったなぁ。「変な服を着たおばさん」という役どころなんですが、主人公三人のキャラの方が強すぎて意外と普通に。映画を見ている時に「なんでこの役いるんだろう？」と思ったのですが、パンフの解説を読んでようやく監督の狙いを理解。う〜ん。

　あと今までの作品の舞台って「疲れたらこんな所に行きたいなぁ。」と思わせるような場所になっていたのですが、今作のアメリカ（撮影地はカナダだけど）はあまり行きたい感じがしませんでした。その点でもマイナスかな。

　と、色々言いましたがそれでも面白い作品ではあるんですよ。「かもめ食堂」と「めがね」に比べるとちょっと劣るなぁ、という意見を言いたかっただけなので。ただ、外国に放り込まれたお婆ちゃんという役のためにセリフがほぼ皆無だったのに見事に演じきったもたいまさこさんは凄かったです。

　ところで「かもめ食堂」の製作陣が同じような雰囲気の別の作品を制作しています（多分ややこしい事情とかは無いと思うんだけど…）。京都を舞台にした小林聡美・小泉今日子・もたいまさこ（！）出演の「マザーウォーター」という作品です。こちらも期待！

「トイレット」のＨＰ
「マザーウォーター」のＨＰ