2012年04月03日

「ヘルプ」観賞

 今年のアカデミー賞助演女優賞を受賞した「ヘルプ・心をつなぐストーリー」を見てきました。

 時は黒人達の公民権運動が盛り上がりつつあった1960年代、特に黒人差別が根強いアメリカ南部ミシシッピ州ジャクソンが舞台。大学を卒業したばかりの女性、ユージニア・フェラン(通称スキーター)は作家志望ではあったが、それまでのつなぎということで地元新聞に就職、家事相談コーナーのコラムを担当することになった。家事の経験に乏しいスキーターは友人グループの一人が契約している黒人メイド、エイビリーンに協力を仰ぐ。元々差別意識が薄かったスキーターはエイビリーンと交流することで「ヘルプ」と呼ばれる黒人メイドの現状に疑問を持つようになる。やや見切り発車でニューヨークにある出版社にこの状況を告発する本を作る企画を提案すると採用される。しかしエイビリーンは告発者が自分であることがばれると命があぶないと思い、この企画に乗り気ではなかった。

 しかし黒人メイド達の雇用主で、スキーターの友人グループである白人主婦達の横暴からエイビリーンの気持ちが変わり企画に参加することになる。やがてメイド仲間で料理自慢のミニー・ジャクソン(アカデミー助演女優賞を受賞したオクタビア・スペンサー)も参加。公民権運動が最高潮になろうとしているのと合わせるかのように企画への協力者も増えていくのだが…というお話です。

「ヘルプ」観賞

 と、ここまであらすじを読むと社会問題を取り扱った堅苦しい作品を想像されると思うのですが、最初から最後まで笑わせてくれる作りになっていてコメディと言ってもいい位の作品なのです。社会問題物でありながら同時にエンタメも出来ている優れた傑作だと思いました。アメリカでは当初公開規模が小さかったのですが、口コミで評判が広がった結果、今年のアカデミー賞にノミネートされた主要作品の中で一番の興行収入を得たのもうなずける出来なのです。

 この頃の時代背景の説明をほとんど省いてしまっているためにちょっと日本人には解りづらい所もある不満点もあるにはありました。ただ、この映画は本来アメリカ人がアメリカ人に向けて製作されており、変に説明するところがあると作品のテンポを崩しかねないのでこれは仕方がないんでしょうね。個人的には上映前にパンフを少し読んで予備知識を入れた方が楽しめやすいと思います。

 さて本日大阪難波の味園ビル内、なんば白鯨で映画イベント「映画喫茶白鯨」があります。残業とか天気の問題がなければ僕も喋っている予定です。19時スタートですが、実質19時半スタートかな。来て下さい! 
http://hakugei.net/archives/3961

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Posted by 天野"kevin"達也 at 00:25│Comments(0)映画
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