2012年07月25日
「おおかみこどもの雨と雪」観賞
「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督の最新作「おおかみこどもの雨と雪」を見てまいりました。
父も母も亡くし、バイトで学費を稼ぎながら大学に通っている花(宮崎あおい)は熱心に授業のノートを取る「彼(大沢たかお)」に興味を持つ。声をかけてみると「彼」はここの学生ではなく、普段は配送の仕事をしつつ、「もぐり」で勉強していた。次第に交際することになった花はある日、「彼」から自分が絶滅したと言われているニホンオオカミの最後の生き残りで「おおかみおとこ」であることを打ち明けられる。そんな「彼」を受け入れた花は一夜を共にし、妊娠することになる。オオカミの状態で出産することを危惧した二人は自宅出産を選択、雪の日に産まれた女の子は「雪」と名付けられた。続けて雨の日に二人目の男の子「雨」を出産した花であったが、「彼」が不慮の事故で亡くなってしまう。
気まぐれに「おおかみこども」に変身する子供たちの為に検診を拒否していた花は都会では子育てに支障をきたす事に気づき、大黒柱を失ったこともあって田舎に移ることを決心する。やがて子供達が成長し小学校に通うことになるのだが…というお話です。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いやーこれは長く愛される映画が生まれたんじゃないでしょうか。子供の時は雨と雪の目線で、大人は、特に子供を持った人は花の目線で楽しめる作品になっています。この映画の評価で「ファンタジーではなく子育て映画」というのを良く聞きますがまさにその通り。多少ネタバレになりますが「おおかみこども」である事は第二次性徴のメタファーであり、実は何処の家庭でも起きる出来事。これに感情移入できないはずが無いと思うのです。
実写でも充分勝負できる脚本でありながら、アニメでしか出来ない演出も見せたこの作品は「映画として」相当高いレベルに行っていると思います。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ところで自分の作品も含めてめったに褒めないことで有名な富野由悠季監督がこの作品に高評価を与えている事がツイッター上で話題になっていたのですが、富野さんが褒めるのも何となく解るんです。
MANTANWEBの記事へのリンク
まず先に言った「映画として」完成度が高いこと。文芸作品としても通用すること。そして細田作品の代名詞ともなっているキャラクターに影を付けずにベタっと塗っていることに対しても。これは富野さんがVガンダムとターンAで「キャラの影無し」を指示した経緯を考えると否定は出来ないと思うのです。これら三点だけを見ても「富野さんが本来やりたかったことを細田さんがやってのけた」からこそ褒めたという感じがするのです。ただこれは富野さんが年齢を重ねて落ち着いた今だからこその反応で、もっとギラギラしていた頃だと「やられた!」という嫉妬でとんでもないことを言っていそうで…(苦笑)。
余談ですがパンフに作画の…こういうのなんて言うんですかね?まぁ、影に関する指示が書かれているんですが、
キャラには無く、布団や水筒に対して影指定をしているのが細田作品ならではだなぁ、というだけの話なんですが(スイマセン。ほんまに余談でした)。
父も母も亡くし、バイトで学費を稼ぎながら大学に通っている花(宮崎あおい)は熱心に授業のノートを取る「彼(大沢たかお)」に興味を持つ。声をかけてみると「彼」はここの学生ではなく、普段は配送の仕事をしつつ、「もぐり」で勉強していた。次第に交際することになった花はある日、「彼」から自分が絶滅したと言われているニホンオオカミの最後の生き残りで「おおかみおとこ」であることを打ち明けられる。そんな「彼」を受け入れた花は一夜を共にし、妊娠することになる。オオカミの状態で出産することを危惧した二人は自宅出産を選択、雪の日に産まれた女の子は「雪」と名付けられた。続けて雨の日に二人目の男の子「雨」を出産した花であったが、「彼」が不慮の事故で亡くなってしまう。
気まぐれに「おおかみこども」に変身する子供たちの為に検診を拒否していた花は都会では子育てに支障をきたす事に気づき、大黒柱を失ったこともあって田舎に移ることを決心する。やがて子供達が成長し小学校に通うことになるのだが…というお話です。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いやーこれは長く愛される映画が生まれたんじゃないでしょうか。子供の時は雨と雪の目線で、大人は、特に子供を持った人は花の目線で楽しめる作品になっています。この映画の評価で「ファンタジーではなく子育て映画」というのを良く聞きますがまさにその通り。多少ネタバレになりますが「おおかみこども」である事は第二次性徴のメタファーであり、実は何処の家庭でも起きる出来事。これに感情移入できないはずが無いと思うのです。
実写でも充分勝負できる脚本でありながら、アニメでしか出来ない演出も見せたこの作品は「映画として」相当高いレベルに行っていると思います。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ところで自分の作品も含めてめったに褒めないことで有名な富野由悠季監督がこの作品に高評価を与えている事がツイッター上で話題になっていたのですが、富野さんが褒めるのも何となく解るんです。
MANTANWEBの記事へのリンク
まず先に言った「映画として」完成度が高いこと。文芸作品としても通用すること。そして細田作品の代名詞ともなっているキャラクターに影を付けずにベタっと塗っていることに対しても。これは富野さんがVガンダムとターンAで「キャラの影無し」を指示した経緯を考えると否定は出来ないと思うのです。これら三点だけを見ても「富野さんが本来やりたかったことを細田さんがやってのけた」からこそ褒めたという感じがするのです。ただこれは富野さんが年齢を重ねて落ち着いた今だからこその反応で、もっとギラギラしていた頃だと「やられた!」という嫉妬でとんでもないことを言っていそうで…(苦笑)。
余談ですがパンフに作画の…こういうのなんて言うんですかね?まぁ、影に関する指示が書かれているんですが、
キャラには無く、布団や水筒に対して影指定をしているのが細田作品ならではだなぁ、というだけの話なんですが(スイマセン。ほんまに余談でした)。
Posted by 天野"kevin"達也 at 22:15│Comments(4)
│映画
この記事へのコメント
僕も近いうち、仕事が空けば行こうと思います。
Posted by 駿速馬 at 2012年08月01日 19:42
是非!
Posted by 天野“ケビンコナス”達也 at 2012年08月03日 23:08
トミノ御大が絶賛!というのが不気味ですねw
変に触発されて、「ガノタこどものザクとグフ」
みたいなの創りそうでコワー
Posted by ジョニーA at 2012年08月13日 11:48
そうなんですよねぇ。文章通り受け取っていいものかどうか…。
Posted by 天野“ケビンコナス”達也 at 2012年08月14日 08:22
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