2013年07月22日

文楽を見に行って来ました。

 日曜日に大阪日本橋の国立文楽劇場に出かけてきました。橋下大阪市長による二回の視察や、補助金打ち切り問題をきっかけに変な形とはいえ注目を受けた文楽。どういうものか興味がありましたし、見もせずに橋下さんを批判できないな、と思い行ってみました。

文楽を見に行って来ました。
 今回見に行ったのは三部構成となっている夏休み文楽特別公演の内の第二部「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」。歌舞伎でも同じ脚本が使われている有名な作品だそうです。話としては奈良時代の蘇我入鹿の暗殺なのですが、舞台や衣装は江戸時代の物に変更されています。また入鹿が権力を得たり暗殺されるきっかけが出来るのに魔力の存在が関係していることからファンタジー要素も付け加えられています。

 休憩込みで4時間にもわたる演目だったのですが(ウィキペディアの解説を読むと物語の序章となる部分をやっていなかったのでこれでも半分程度だったのかも…)笑えるポイントもあって面白かったです。始まってすぐは主人公求馬(もとめ。実は藤原不比等)をめぐって二人の女性が争う痴話げんか話で、お昼御飯後というのもあったのですがあまり興味が持てず何度か居眠りしてしまったのですが、後半に向けてグンと盛り上がってきてここからは集中して見ることが出来ました。

 最後は史実通り入鹿の殺害で終わるのですが、四人の兵士達が持つ槍に刺されたような、明確に「入鹿は死にましたよ。」という表示をしないまま幕を閉じてしまいます。橋下さんが「曽根崎心中」を見たときに「あっさりしていて物足りない。」と言ったそうですが、演目が違うとはいえ僕も同じ感想を持ちました。ここは過去の演出に縛られない努力も必要かもしれません。ただ、この時橋下さんが「人形遣い(主遣い)は顔を出さなくてもいい。」という意見も言ったそうなのですがこれには同意しかねます。物語が面白ければそれを表現するための手段は何でもいいと思うんですけどね。大体その程度で舞台の質が良くなるのならとっくの前にやっていますって(笑)。ここは観劇の経験が薄い橋下さんの無知をさらしただけじゃなかったのかな。

 ちなみに国立文楽劇場は歌舞伎や能の舞台として使われる事もあって結構綺麗でした。飲食店も歌舞伎座ほどじゃないですけど充実していましたし。劇場の上の方に物語を読み上げる太夫の台詞とシンクロして字幕が流れるようになっているのですが、前の方の席だとちょっとそれが見えづらい(早めに予約したので前から三列目でした)。席が選べるのなら真ん中くらいの方が舞台全体も見渡せていいかもしれません。

文楽を見に行って来ました。

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Posted by 天野"kevin"達也 at 21:51│Comments(0)演劇
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